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日弁連人権擁護大会に登壇しました

活動報告

こんにちは。明石さざんか法律事務所の青木志帆です。

去る10月5日、日弁連の第65回人権擁護大会に登壇してきました。

 

人権擁護大会とは?

人権擁護大会とは、日弁連最大の年間イベントです。毎年全国津々浦々の都道府県を開催地とし、各回2~3つの分科会に分かれて1日中シンポジウムをします。ホストとなる都道府県の弁護士会のみなさまは大変な思いをして準備をされますが、それ以外の弁護士にとっては年に1度、それなりに多くの弁護士が対面で会うことができる機会であり、楽しみにしている人も少なくありません。

私は、2014年開催の第57回大会(函館大会)の第2分科会「障害者権利条約の完全実現を目指して~自分らしく、ともに生きる」の実行委員をしたことはありましたが、その後は明石市職員となったこともあり、なかなか参加できていませんでした。

 

第65回人権擁護大会

ところが、この春に移籍するやいなや、今年の人権大会第2分科会パネルディスカッション登壇の機会をいただきました。テーマは、「地域の家庭裁判所が真に住民の人権保障の砦たりうるために~司法IT化のすき間で生じる子ども・高齢者・障害者の権利救済・権利擁護支援の視点から~」です。な、長い。

事前申込ベースで、会場700名、オンライン参加300名程度とのことでした。実際はもう少し少ない気がしましたが、それでもパネルディスカッションとしては経験してきた中で最大級です。

ディスカッションの趣旨は、この人口減少社会において、こども・高齢者・障害者の人権を守る機関として、家庭裁判所の重要性がますます高まってくる中、その期待される役割を発揮するために、家庭裁判所の物的・人的体制を充実させるべし、というものです。ちょっと難しいですね。

 

上から順に、清永聡様は、NHKの災害・司法担当論説委員です。来春の朝の連続テレビ小説「虎に翼」の制作にも関わっておられるそうです。なぜか。この「虎に翼」は、日本初の女性弁護士のひとりにして、日本初の女性裁判官である三淵嘉子氏がモデルだから。とりわけ、日本の家庭裁判所システムの構築に尽力された方とのことです。

大谷美紀子様は、国連子どもの権利委員会の委員長を経験され、現在も同委員会に関わっておられる子どもの権利のスペシャリストです。

藤田光代様は、弁護士任官者として20年近く裁判官を務められ、ついこのあいだの7月に定年退官し、また弁護士へ戻ってこられた方です。私も、弁護士ではない地方公務員を8年あまりつとめましたが、裁判官となるとわけが違いますね。

そう、わけが違う3名のみなさまと肩を並べて、しかもすでに4時間近くいろいろなプレゼンを聞いてきた後の90分枠のパネルディスカッションでしたので、とにかく空気に飲まれないよう、そして聴衆のみなさまを退屈させないようにするだけで必死でした。

私が申し上げたことは、主に家庭裁判所と成年後見を中心とした高齢者・障害者福祉との関係についてです。現在、第二期成年後見制度利用促進計画に基づき、「成年後見制度に限らない権利擁護支援」への転換が求められています。また、すでに地方裁判所で先行して実施されているWeb期日開催を含む司法IT化が、まもなく家庭裁判所実務でも開始されます。これらの流れの中で、地方に住む高齢者・障害者の十分な司法アクセスが保障されるべきこと、また、権利擁護支援に関する地域連携ネットワークの一員として、家庭裁判所にもさらに地域へ踏み込んでいただきたいことなどをお話しました。

私に白羽の矢が立った大きな要因は、やはり「基礎自治体職員として、家庭裁判所とのコミュニケーションを含む高齢者障害者権利擁護実務に関わった経験」にありました。今後、求めがあれば、さまざまな基礎自治体のアドバイザーとして、権利擁護支援体制に尽力したいと思います。

 

余談―牛にひかれずに善光寺参り―

長野と言えば善光寺。人権大会の会場が善光寺の近くだったので、少しあいた時間で善光寺参りをしました。

・・・「区画型納骨堂」に時代を感じます。善光寺ですら、もう「墓地」ではなく「納骨堂」なのか、と、変な感動を覚えたところです。